ランニング
11月に入ってから、毎晩ランニングをしている。
季節の変わり目で気分の浮き沈みが激しく、その状況を打破するために始めた。
学生時代から運動を避けてきた私は、走ることに対して苦手意識をもっている。
マラソン大会、50メートル走。思い出すだけで嫌な気持ちになる。
同じクラス、仲のいい友達と少なくとも競争しなくてはいけないのが嫌だった。
「走ること=競争」と思い込んでいた私にとって、1人でランニングをすることがこんなに楽しいとは思わなかった。
走ることだけに意識を集中するとあらゆる発見ができる。
早く走りたいなら前傾姿勢にした方が楽なこと、
曲がる時は体を曲がる方向に少し傾けると楽なこと、
早く走りたいときは足で地面を蹴る力を強めること、
膝や足首の力を抜くと走った時の振動を和らげることができること、
そして何よりも、呼吸が大事だということ。
息を吸う、吐く、
心拍数が上がるほど呼吸を少し早め、息を多めに吸って吐く。
呼吸さえ心拍数に合わせて整えていれば、長く走ることができる。
自分の走る動きと呼吸が一体になると、ゾーンに入ることができる。
疲れを一切感じず、永遠に走っていられる感覚になり、とにかく気持ちがいい
走り始めは決まってしんどい。やめたいと思う。
だが、一定のしんどさを超えると、ゾーンに入る。
一種の薬物だな。と走るたびに思う。
だが、気持ちよさが得られない日もある。
しんどさだけが残る最悪のランニング。
なぜ得られないのか。その違いはまだ分からない。
この気持ちよさが得られる限り、私はランニングを続けるだろう。